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通訳、翻訳、音楽な日々


by sarah103
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キミヒコさんは男性です

10月に入った。キンモクセイの香り漂う街並みを歩くのが心地よい。

中3の長女は夏に部活を引退し、今は来春の受験に向け、勉強漬けの毎日だ。土日も塾や模試でほとんど家にいない。
最近では公立、私立とも学校体験や見学会があり、志望校のイメージも固まってきたようだ。本人が望んでやっていることだから、親としては見守り、健康面で気をつけることでせいいっぱい。中1の次女は姉が引退した部活で、次は自分たちの番だと練習に励んでいる。どこからエネルギーが湧いてくるのか不明だが、しっかり遊びもこなしているようだ。

前のポストで少し書いたが、この3か月ほど週一度は日本の北から南まで、どこかの都市へ出張していた。
そしてそれは今も続いているわけだが、短期滞在のため、なかなかゆっくり現地で観光や旬のものを堪能というわけにはいかない。ただいつも思うのが、見知らぬ土地での体験から得るものが多いこと。同じ日本でありながら、同じ表現でも伝えたい温度に地域差があったりと、今更ながら勉強になることも。

話は変わるが、先日、日本に長期出張中の外国人役員と仕事をしていた際にあったハプニングを。会議は常に私が同席して通訳するわけだが、あるとき、「今からSkype(スカイプ)でカンファレンスコールするけど、君はこなくていいよ。メールでは英語でずっとやりとりしてた日本人だし、問題ないから」と言われた。今日、初めて話をするのだと、どことなくそわそわして嬉しそう。

そうねぇ、たまには通訳付きの打ち合わせから解放されたいだろうし、英語だけで話がすむなら本人も楽だもの、などと思って笑顔で送り出した5分後に会議室から飛び出してきた。

「ちょっと来てくれ!音声の調子がおかしい。男の声がするんだ。一緒に見てくれないか」

何事かと、相手先とつながった状態のPCをチェックしたら、誰が聞いても立派な男性の声がして、その外国人の名前を呼んでいる。「聞こえますかー?Can you hear me, Mr. XX?」

「音声はおかしくないですよ。相手は男性です。」と私。

すると「いや、違う。女性のはずだ。名前にKOがついているじゃないか。ナオコ、ケイコ、アキコ、ノリコ、ジュンコ、エミコ、ユキコ・・・(よく出てくるもんだ、と感心した)君は違うけどさ、日本人女性の名前には「コ」がつくものが多いでしょう。この人もついてるよ、ほら、ちゃんと見てごらん。」

そうして相手先のSkypeのアカウント名をみたら、そこにはKIMIHIKO,キミヒコとあった。
・・・予感的中。 「だから、男の人ですってば!男性でもコが付く人はいるんです」キミヒコさんを少しの間待たせながら、ドアの外で漢字の「子」や「彦」の説明をしてやっと納得してもらった。
わかった後の、ちょっと落胆気味な表情がお気の毒ではあったけど。次からは、はじめからビデオ通話にしましょうね。

通訳稼業、思わぬところで時間をとられることもある。
Commented by ハベル at 2012-10-09 11:33 x
sarahさん
お久しぶりです。

なるほどローマ字での‘ko’は女性特有の名前と思い込んでらしたんですね。 違いを聞いたその方のウキウキ気分が一転、がっかりぶりが目に浮かびます。 

以前仕事していたころ、外国からいらしたお客様が応接室へ入るなり靴を脱ぎ(畳敷きではないのに)、その靴をきちんとそろえソファーに腰掛けられた姿を思い出しました。  今思い出しても笑ってしまいます。

まだまだある言葉や文化の違いを改めて感じます。

Commented by sarah103 at 2012-10-10 00:09
ハベルさん ホントお久しぶりです、お元気でしたか?

そうなんです、ある時にKOの存在に気づいてせっかくたくさんの日本人女性の名前を覚えたのに、はずれてしまって今回は残念!だったわけですが。

日本での生活に慣れていても、時々靴を脱ぎ忘れる人も多い中、そのお客様はご立派ですよ。ウケましたけど。

よく海外とのやりとりを指して異文化コミュニケーションなどと言いますが、その言葉でひとくくりに出来ない複雑さを日々感じています。まだまだ成長途上にある私です。
by sarah103 | 2012-10-06 21:43 | 通訳・翻訳いろいろ | Comments(2)