通訳、翻訳、音楽な日々


by sarah103
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偉大なる鯉とり名人、鯉とりまあしゃん。『私の釣魚大全』より

d0012141_2273115.jpg開高健の著書、『私の釣魚大全』に収められている福岡は筑後地方にかつてその名を馳せた鯉獲り名人の話に引き込まれた。

まあしゃんとは実在した人物、上村政雄さんの愛称である。
この地方をこよなく愛した作家、火野葦平も何度となく取り上げているのでご存じの方も多いかと思う。

春は3月頃、水がまだぬるむ前が鯉獲りに適した季節。鯉獲りに筑後川に入る数日前から肉食を励行、身体から脂をみなぎらせて水をはじき、川底でじっとしている鯉に腕を伸ばし、その暖気でおびきよせてそおっと抱き上げる。捕まってしまっても鯉は暴れること一切なく、じっとおとなしくまあしゃんの腕に抱かれたまま。漁に使用する道具はなく、あるのはただ、裸の身ひとつだ。


d0012141_2244756.jpgまあしゃんが鯉獲りをするとたいてい、両腕と胸に3~4匹の大きな鯉を抱えて水から上がるというのでまさに名人芸。鯉獲りだけに一生を費やしたといっても過言ではない強烈な生きざまがここでは語られる。
これを真似ても、まあしゃんほど成功した人は今もいないという。

思えば“鯉こく”なるものを初めて味わった場所がご本人ゆかりの店で、川魚アレルギーの私もこれで川魚が食べられるようになった。

故人となったご本人は鯉獲り以外の私生活ではかなりのやんちゃ者だったらしいが、個性的な生き方を許容する、いわば太っ腹な時代背景にも彼の存在が輝いた一因があるのではなかろうか。

鯉とりまあしゃん、恐るべし。
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by sarah103 | 2011-04-22 22:47 | | Trackback | Comments(0)